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絵本太功記十段目・尼崎閑居 — あらすじ・見どころ・登場人物

演目ガイド

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絵本太功記十段目・尼崎閑居

絵本太功記十段目・尼崎閑居

📝 作品情報

作者近松柳/近松湖水軒/近松千葉軒
初演1799年(寛政11年)7月 大坂・豊竹座(人形浄瑠璃)/1800年(寛政12年)11月 大坂・角芝居中山座(歌舞伎、外題『恵宝太功記』)
種別時代物
上演時間約70分
原作絵本太功記

📖 あらすじ

母に逆賊非道と呼ばれ、息子を失っても貫かねばならない正義。家族を引き裂く戦の理不尽さを描いた作品です。
尼崎に隠棲する皐月のもとへ、武智光秀の息子・十次郎が初陣の許しを得に来ます。十次郎は許嫁の初菊と祝言を挙げ、出陣していきます。
陰で様子をうかがっていた光秀は、宿を求めて来た旅僧の正体が真柴久吉だと見抜きます。光秀は湯殿に向かって竹槍を突き、久吉を討ったと思います。
しかし刺されたのは、身を挺して立ちはだかった皐月でした。重傷で戻った十次郎から敗戦を聞いた光秀は、母と息子を失う中で久吉と別れます。

🌟 みどころ

十次郎と初菊の祝言が、実は別れの儀式となる場面が印象的です。幸せな門出のはずが、出陣への決意を固める儀式として描かれ、切なさが漂います。
竹藪越しの一突きが、皐月の身代わりを招く場面は緊迫感があります。光秀は久吉を討ったと確信しますが、倒れていたのは母でした。母は身を挺して謀反を起こした息子を諭すのです。光秀の正義の虚しさが、際立つ場面です。
妻の操が嘆く「口説」の場面は、女形の見せ場です。心の内を訴える叙情的な演技が観客を引き込みます。そして母と瀕死の息子を前に、勇将光秀がはらはらと涙を落とす「大落し」。悲劇が最高潮に達する、義太夫狂言の名場面です。
家族を犠牲にしてまで貫かねばならない正義とは何か。戦の理不尽さが、重く問いかけられる幕切れです。

🎭 登場人物

武智光秀
武智光秀
たけちみつひで
歴史上の「明智光秀」のことだよ。主君を討った謀反人なんだけど、この芝居では「家族を犠牲にしてしまった苦悩の人間」として描かれているのです。

誤って母を刺し、息子も戦死してしまう…そんな絶望の中で、声を殺して泣く「大落とし」の演技は、観ている人の心を揺さぶる名シーンです。

皐月
皐月
さつき
光秀の母。主君を討った光秀を許すことができず、光秀のもとを離れ尼ヶ崎で一人暮らしをしていたんだ。

一夜の宿を求めてきた旅の僧と、その様子を外から伺っていた人影(実は光秀)を見て、自分の命をかけて我が子・光秀を諫める決意をする。

強い意志を持つ武士の家の女性なんだよ。

操
みさお
光秀の奥さん。

誤って竹槍で母を刺してしまった光秀、息子を死地へと追いやった光秀に対して泣いて想いをぶつけるんだ。浄瑠璃の詞章に乗って演技をする女形の見せ場「口説き」は必見だよ。

武智十次郎
武智十次郎
たけちじゅうじろう
光秀の息子で、凛々しい若武者です。

父・光秀の謀反によって追い詰められた状況の中、死を覚悟して戦場へと出陣するんだ。

許嫁の初菊と祝言を挙げた直後に、悲壮な決意で出陣する姿は涙を誘うよ。

深手を負って帰ってきてからの、息も絶え絶えになりながら戦況を報告する演技は、若さゆえの純粋さと悲劇性が際立つ名シーンなのです。

初菊
初菊
はつぎく
光秀の息子・十次郎の許嫁(いいなずけ)です。祝言(結婚式)を挙げた直後に、夫を死地へ送り出さなきゃいけない悲劇の花嫁なのです。

夫のために涙をこらえて送り出すシーンは、健気で本当に可哀想で美しいよ 十次郎との純愛に注目してください。

真柴久吉
真柴久吉
ましばひさよし
歴史上の「豊臣秀吉」のことだよ。旅の僧としてやってくるのですが、最後は光秀のライバルとしてドーンと再登場するんだ。

余裕たっぷりでスケールの大きさを感じさせる大物! 最後に光秀と対峙するシーンのカッコよさに注目です。

加藤正清/佐藤正清
加藤正清/佐藤正清
かとうまさきよ/さとうまさきよ
史実の加藤清正だよ。久吉の忠臣。佐藤正清とされる場合もあるよ。

百姓に化けて久吉に近づこうとした光秀の家来・四王天田島頭(しほうでんたじまのかみ)を討ち取り、十次郎にも深手を負わせた勇猛な武将なんだ。

派手な衣装で大きな見得が迫力満点だよ。

✍️ 執筆: けらのすけ
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