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曽根崎心中 — あらすじ・見どころ・登場人物

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曽根崎心中

📝 作品情報

作者近松門左衛門
初演人形浄瑠璃―1703(元禄16)年5月 大坂・竹本座 歌舞伎―1719(享保4)年4月 江戸・中村座
種別世話物
上演時間不明
別名・通称お初徳兵衛
原作曽根崎心中

📖 あらすじ

醤油屋の奉公人・徳兵衛と、堂島新地の遊女・お初は深く愛し合っています。しかし、徳兵衛の叔父は彼を自分の姪と結婚させようとし、徳兵衛の実家の継母は、徳兵衛に知らせずにこれを承諾し、持参金銀二貫目(約240万円)を受け取ってしまっていました。
徳兵衛は結婚を拒み、持参金を返そうとしますが、友人の九平次に「数日だけ貸してほしい」と泣きつかれ、善意で金を貸してしまいます。ところが、九平次は金を返すどころか「徳兵衛に騙し取られた」と偽りの罪を着せ、大衆の面前で徳兵衛を打ち据えます。

生玉で別れたまま徳兵衛の身を案じていたお初は、天満屋の門口に立つ傷だらけの徳兵衛を見つけ、ひそかに店の縁の下に忍ばせます。そこへ酔った九平次がやってきて、徳兵衛の悪口を散々並べ立てます。怒りに震える徳兵衛を、お初は必死で足で押しとどめ、九平次に向かって「徳さまは死なねばならぬ。死ぬる覚悟が聞きたい」と言いながら、縁の下の徳兵衛に足で心中の覚悟を問いかけます。徳兵衛は、お初の足を刃物のように自らの喉に当てて同意を示しました。

夜も更けて皆が寝静まった後、お初と徳兵衛は天満屋を抜け出し、曽根崎の「天神の森」へと向かいます。
二人が去った後、油屋から知らせが入り、印判を偽った九平次の悪だくみが露見して徳兵衛の無実が明らかになります。徳兵衛を心配して天満屋に来ていた久右衛門も、実は二人を添わせる心だったと明かし、門口に立ち「死ぬなよ」と叫びますが、すでに時は遅く、二人はあの世で結ばれることを信じて命を絶つのでした。

🌟 みどころ

九平次に追いつめられた徳兵衛をお初が縁の下に隠す場面。お初は足先で徳兵衛に触れ、死ぬ覚悟を確かめ合います。言葉ではなく「足」で会話する、緊迫感とエロティシズムが混ざり合った歌舞伎屈指の名場面です。映画「国宝」でも印象的に使われたシーンです。

クライマックスの「天神の森の段」。この世に別れを告げ、死出の旅路を歩む二人の姿が、美しい浄瑠璃の詞章とともに描かれます。「未来の成仏、疑いなき」という祈りにも似た幕切れは、観客の涙を誘います。

🎭 登場人物

平野屋徳兵衛
ひらのやとくべえ
醤油屋・平野屋の手代。叔父のもとで丁稚から働き、信頼されて婿となる話が出たが、お初がいるからと断った。しかし継母が勝手に縁談を進めてしまい、苦労して結納金を取り返すが、今度はその金を親友と思っていた油屋九平次に騙し取られて商人としての面目を失い、死ぬしかないと思い詰める。
天満屋お初
てんまやおはつ
大坂・堂島新地の天満屋の遊女。平野屋徳兵衛と夫婦になることを誓っている。純粋な心根から徳兵衛の不幸を見過ごすことができず、天満屋の床下に潜む徳兵衛とひそかに心情を確かめ合い、最後は曽根崎の森でともに死ぬことを選ぶ。
九平次
くへいじ
油屋の主人。三日間の約束で徳兵衛から金を借りるが、最初から騙すつもりだった。生玉神社で徳兵衛を罵倒し、天満屋でもお初に徳兵衛の悪口を言うなど、徳兵衛を死に追いやる。
平野屋久右衛門
ひらのやきゅうえもん
平野屋の主人で、徳兵衛の叔父。妻の姪と徳兵衛を結婚させて店を継がせることを考え、継母に結納金も渡すが、それが徳兵衛を追いつめる原因に。実は徳兵衛とお初を結婚させてやるつもりで、そのために勘当を言い渡したのだが、九平次のためにその心は無となってしまった。あ
✍️ 執筆: KABUKI KERA

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