📖 あらすじ
節分の夜の大川端。女装の盗賊・お嬢吉三は、夜鷹のおとせから百両を奪い、川に突き落とします。そこに居合わせた侍上がりの盗賊・お坊吉三がその金を横取りしようとし、二人は争いになります。
そこへ親分肌の和尚吉三が現れて仲裁し、「百両は俺が預かる」と丸く収めます。意気投合した三人は義兄弟の契りを交わし、庚申の夜ごとに会う約束をして別れます。このとき、お嬢吉三が奪った百両の中には、名刀「庚申丸」という短刀も含まれていました。
やがて明らかになる因果の糸。川に落とされたおとせは実は和尚吉三の生き別れの妹であり、おとせと恋仲の手代・十三郎は実はおとせと双子の兄妹でした。百両も庚申丸も、かつて和尚吉三の父・土左衛門伝吉が関わった因縁の品。三人の吉三は、知らず知らずのうちに因果の輪に絡め取られていたのです。
追い詰められた三人は、雪の降る本郷火の見櫓のもとで捕手に囲まれます。逃れられぬ運命を悟った三人は互いに刺し違え、義兄弟の契り通り、同じ時に命を散らすのでした。