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近江源氏先陣館・盛綱陣屋 — あらすじ・見どころ・登場人物

演目ガイド

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近江源氏先陣館・盛綱陣屋

近江源氏先陣館・盛綱陣屋

📝 作品情報

作者近松半二/八民平七/松田才二/三好松洛/竹田新松/近松東南/竹本三郎兵衛
初演1769年(明和6年)12月 大坂・竹本座(人形浄瑠璃)/1770年(明和7年)5月 大坂・中の芝居(歌舞伎)
種別時代物
上演時間約100分
原作近江源氏先陣館

📖 あらすじ

戦のために敵味方に分かれた兄弟。弟は子を犠牲にして再起を図り、兄は弟の執念、甥の健気さに心を打たれ命がけの決断をする。戦の世の家族の悲劇を描く物語です。
琵琶湖のほとり、佐々木盛綱の陣屋に、弟の高綱の子・小四郎が捕らわれています。時政は盛綱に首実検を命じます。
実は小四郎は、高綱の命を受けて偽首のために自ら腹を切る覚悟で捕らわれていました。盛綱は幼い甥の健気さに心を打たれ、首実検で偽首を本物だと偽ります。
盛綱は隠れていた篝火を呼び出し、瀕死の小四郎と対面させます。盛綱は弟と甥の才知に心を動かされて嘘をついたと吐露し、小四郎を褒める中で小四郎は息絶えます。
盛綱が責を取って腹を切ろうとすると和田兵衛が現れ、鎧櫃に潜む榛谷十郎を撃ち抜きます。和田兵衛は高綱の挙兵の時に義理を立てよと言い残し、源氏の白旗を奪って去ります。

🌟 みどころ

首実検で偽りを通す盛綱の場面が最大の見どころです。偽物の首を見て、甥が「父上」と呼びかけて腹を切った理由を考え、これが弟の計略だと気づき、健気な甥の死を無駄にしないため自分が死のうと決める。この心の動きをせりふなしで示す演技は「多くの首実検の中、最も長く難しい」と言われます。肉親への情と主君への忠義に悩む盛綱の人間らしさが、静かに描かれます。
小四郎は子役として大役です。祖母に命乞いをする幼さがありながら、父のために進んで腹を切り、伯父が秘密を守ってくれるか必死に探る賢さ。この健気さが、観客の心を打ちます。

🎭 登場人物

佐々木盛綱
佐々木盛綱
ささきもりつな
知略に優れ、情にも厚い鎌倉方の武将。モデルは豊臣家が滅んだ大坂冬の陣の\*\*「真田信幸」\*\*なんだ。

北条時政と源頼家の権力争いの中で、時政側(鎌倉方)についているため、頼家側(京方)についた弟・高綱と心ならずも争うことになってしまった悲劇の主人公です。

最大の見せ場は、時政の命令で行う「首実検」。

偽首だと知りながら、甥・小四郎の死を無駄にしないために「弟(高綱)の首に間違いない」と言い切る、苦渋の決断と\*\*「肚(はら)」\*\*の演技は必見だよ!

佐々木高綱
ささきたかつな
盛綱の弟で、京方の智将(ちしょう)。モデルは豊臣が滅んだ大坂冬の陣の\*\*「真田幸村」\*\*だよ。

「盛綱陣屋」の舞台には登場しない(影の主役として兄や敵を操っている)のですが、実はこの物語の続編にあたる\*\*『鎌倉三代記(かまくらさんだいき)』\*\*では、主役で大活躍をするのです!

この演目では、姿を見せずに小四郎や偽首を使って兄・盛綱の心を動かす、変幻自在な天才軍師として描かれているよ。

小四郎
小四郎
こしろう
高綱と篝火の息子で、盛綱の甥っ子。

今回の戦が初陣(ういじん)なのですが、敵方であった盛綱の息子・小三郎に捕らえられてしまっています。実は捕まったのは「父・高綱の計略」で、わざと捕まったのです。

祖母の微妙(みみょう)に「切腹しなさい」と言われた時は、泣いて命乞いをするのですが、高綱の偽首を見た瞬間、時政を騙すために偽首とわかっていながら「父上ー!」と叫んで切腹するんだ。

幼いながらも父のために命を捧げた、けなげな英雄だよ。

和田兵衛秀盛
和田兵衛秀盛
わだべえひでもり
豪傑として知られる京方(敵側)の侍大将 モデルは\*\*「後藤又兵衛」\*\*。

戦のさなかに、敵である盛綱の陣屋に単身乗り込んで、「捕まった小四郎を返せ」と要求する大胆不敵な行動をとるんだ。

敵ながらあっぱれなかっこいい武将で、最後には鎧櫃に隠れたスパイを撃ち抜いて、盛綱の窮地を救う活躍も見せるよ。

微妙
微妙
みみょう
盛綱と高綱のお母さん。

『菅原伝授手習鑑』の覚寿、『本朝廿四孝』の越路と並んで、\*\*「三婆(さんばば)」\*\*と称される、歌舞伎の老女役(ふけおやま)の中でも最高峰の難役です。

盛綱に頼まれて孫の小四郎に切腹を迫り、刀を振り上げるけれど、どうしても斬ることができずに泣き崩れる…。

武家の女性としての「強さと気位」、そして祖母としての「深い悲しみ」を表現する重厚な役どころなんだよ。

早瀬
早瀬
はやせ
盛綱の妻で、小三郎のお母さん。

篝火が射ち込んだ矢文を発見して、その歌(逢坂山のさねかづら…)の意味が「逃げろ」という合図だと理解し、「今はまだ時節を待て」という返事の矢文を射返す賢い女性なんだよ。

北条時政
北条時政
ほうじょうときまさ
鎌倉方の総大将。モデルは\*\*「徳川家康」\*\*です。

盛綱に対して「小四郎を生かしておけ(人質にしろ)」と命じたり、高綱の首(ほんとは偽物なんだけど)を持ってきて実検させたりする、老獪(ろうかい)で冷徹な人物として描かれている。

腹黒い計算をしている怖いおじいちゃん!

榛谷十郎
榛谷十郎
はんがいじゅうろう
北条時政の部下で、実はスパイ。

時政が盛綱への褒美として置いていった「鎧櫃(よろいびつ)」の中にこっそり隠れていて、盛綱が裏切らないか監視しているんだ。

でも最後は和田兵衛に見破られて、櫃ごと鉄砲で撃ち抜かれてしまうという衝撃的な最期を迎えるよ。

篝火
篝火
かがりび
高綱の妻で、小四郎の母。
捕えられた小四郎を救おうと、足軽の姿にやつして密かに盛綱の陣所へ忍び込み、矢文で小四郎と連絡を取ろうとするんだよ。小四郎の最後に立ち会って嘆く姿は痛々しいよ。
小三郎
こさぶろう
盛綱の息子で、小四郎の従兄にあたるよ。子どもながら見得をきるシーンもあってカッコいいよ!
信楽太郎
信楽太郎
しがらきたろう
戦場の報告をする注進(ちゅうしん)の役。敵陣や周辺の状況を知らせにやって来るんだ。
義太夫の調べに乗って勇壮な注進を見せ、合戦の緊迫感を押し上げる役どころだよ。
伊吹藤太
伊吹藤太
いぶきとうた
半道敵(はんどうがたき)と呼ばれる三枚目の役だよ。注進(ちゅうしん)として、敵陣や周辺の状況を知らせにやって来るんだ。
信楽太郎の豪快な演技とは違ってコミカルな雰囲気の注進で、深刻になりがちな場を和ませる役どころなんだ。
✍️ 執筆: けらのすけ
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