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伊勢音頭恋寝刃(油屋) — あらすじ・見どころ・登場人物

演目ガイド

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伊勢音頭恋寝刃(油屋)

伊勢音頭恋寝刃(油屋)

📝 作品情報

作者近松徳三
初演1796年(寛政8年)
種別世話物
上演時間約90分
原作伊勢音頭恋寝刃

📖 あらすじ

理不尽な状況に追い詰められた主人公が、冷静さを失っていく心理劇です。
舞台は伊勢神宮門前町・古市にある遊郭「油屋」。主人公の福岡貢は、主家の大切な刀を紛失してしまい、それを取り戻すために身分を隠して油屋に身を寄せています。
しかし、仲居の万野をはじめ、周囲の人々から執拗な嫌がらせや誤解を受けることに。刀をめぐる思惑は複雑に絡み合い、貢の立場はどんどん不利になっていきます。
想いを寄せる遊女との関係にも疑念が生じ、精神的にも追い詰められた貢は、やがて冷静さを失っていきます。

🌟 みどころ

真面目な主人公が、理不尽な仕打ちによってどんどん追い詰められていく様子が最大の見どころです。「なぜ自分ばかりがこんな目に」という気持ちが伝わってきて、見ている側も感情移入してしまいます。
この作品は「縁切り物」という様式で、男女の想いがすれ違っていく様子が丁寧に描かれます。すれ違いがすれ違いを呼び、関係がどんどん壊れていく過程は見応えがあります。
そして終盤、静かに積み重なった感情が一気に爆発する瞬間は圧巻。緊張感がピークに達する展開から目が離せません。

🎭 登場人物

福岡 貢
福岡 貢
ふくおか みつぎ
伊勢神宮の御師(おんし)である福岡孫太夫の養子です。「御師」というのは、お伊勢参りの案内役も務める神官のことで、身分は武士と町人の中間くらい。歌舞伎の役柄でいうと「ぴんとこな」の代表格。一見すると優男(二枚目)ですが、ただ優しいだけじゃなく、いざという時にはきりっとした強さを見せる「性根の据わった男」なのです。(頼りない若旦那の「つっころばし」である万次郎とは対照的だね!)。真面目ゆえに万野にいじめられ、嫉妬と面子を潰された怒りを必死にこらえ、やがてプッツンと切れて修羅場へと走る姿には、歌舞伎独特の「色気と凄味」があふれています。妖刀の魔力で次々と人を斬る「殺し場」は圧巻!
万野
万野
まんの
油屋の仲居で、歌舞伎屈指の「憎らしい悪女」です。阿波藩の乗っ取りを企む徳島岩次たちとグルになって、貢から名刀を奪おうとしたり、お紺との仲を引き裂こうとするのです。貢に惚れている「お鹿」をそそのかして、恋文や大金をだまし取ったり、それをネタに満座の中で貢を侮辱したりと、やり口がとにかく陰湿! 最後は逆上した貢に斬られるけど、それも自業自得ですね。
お紺
お紺
おこん
油屋の遊女で、廓(くるわ)でも評判の美女。貢とは深い仲(恋人同士)なのですが、貢が探している「刀の鑑定書(折紙)」を敵から手に入れるために、わざと貢に冷たく当たって「愛想尽かし(縁切り)」をするのです。普通の歌舞伎(『籠釣瓶』など)だと、愛想尽かしをしたヒロインは逆上した男に殺されちゃうことが多いのですが、この作品のお紺は殺されずにハッピーエンドを迎える珍しいヒロインなんです。
喜助
喜助
きすけ
油屋の料理人です。実は、喜助のお父さんが貢の実父の家来だったことため、貢に対して強い忠義心を持っているのです。万野が「大事な刀を預かる」と言い出した時、危険を感じてとっさに「自分が預かります!」と申し出るファインプレーを見せるよ。貢にとって、敵だらけの油屋での数少ない味方なのです。
お鹿
お鹿
おしか
油屋の遊女です。容姿はいまいちですが、気立ての良さが評判の女性。貢に「片思い」しているのを万野に利用されてしまうのです。万野に言われるままに恋文や大金を渡したり(といっても、万野に騙されているんです)、貢に「私のこと好きなんでしょ!」と迫ったりして、結果的に貢を追い詰めてしまう。悪気はないのですが、悲しい運命をたどる役どころです。
今田 万次郎
今田 万次郎
いまだ まんじろう
阿波国の家老の息子で、貢が仕えていた旧主の若様。歌舞伎でいう「つっころばし」の典型的なキャラクターです。二枚目なのですが、「つつけば転ぶ」と言われるくらい気が弱くて頼りない、世間知らずのボンボンなのです。貢が必死に探していた名刀「青江下坂」をせっかく見つけ出したのに、遊ぶお金欲しさに質に入れてしまうという失態を犯す。貢が苦労する原因を作った「困った若旦那」ですが、どこか憎めないお坊ちゃまです。
お岸
お岸
おきし
油屋の遊女で、ヒロイン・お紺の妹分にあたるです。実は今田万次郎の恋人。
徳島 岩次
徳島 岩次
とくしま いわじ)※実は藍玉屋北六
油屋でお大尽(お金持ち)として振る舞っている阿波の侍…に見えるけど、実は「藍玉屋北六」という協力者の商人なのです(本物の岩次と入れ替わっているんだ)。岩次と一緒に、貢から恋人のお紺を奪おうとする嫌な奴です。
藍玉屋 北六
藍玉屋 北六
あいだまや きたろく)※実は徳島岩次
一見すると「藍玉屋」というお店の手代(商人)に見えるけど、実はこの男こそが本物の「徳島岩次」(お家乗っ取りを企む悪人)なのです。身元を隠すために、家来と名前や立場を入れ替わっているんです。名刀と鑑定書を奪うために裏で暗躍する黒幕ですね。
✍️ 執筆: けらのすけ
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