奥州安達原三段目・袖萩祭文
奥州安達原三段目・袖萩祭文
📝 作品情報
| 作者 | 近松半二 ほか |
|---|---|
| 初演 | 1762年(宝暦12年)9月 大坂・竹本座 |
| 種別 | 時代物 |
| 上演時間 | 約90分 |
| 原作 | 奥州安達原 |
🌟 みどころ
🎭 登場人物
彼女を表す**「泣きつぶしたる目なし鳥」**という言葉通り、親不孝を詫び、夫を思い、我が子の不憫さを嘆いて、涙で目を潰してしまったかのような壮絶な悲しみを背負っているんだ。
雪の降る門前で、三味線を弾きながら語る「祭文(さいもん)」。観客の涙をこれでもかと絞り取る、渾身のクドキ(長台詞)に耳を傾けてね。
目が見えない母の手を引き、寒がる母の背中をさする姿は、見ているだけで胸が締め付けられるよ。
「申し旦那様奥様、外に願いはござりませんぬ、お慈悲に一言物おっしゃって」
と、祖父母(傔仗夫婦)に向かって泣きながら訴えるシーンや父・貞任に縋りつくシーンは涙腺崩壊ポイント。
雪の中、盲目になって帰ってきた娘を一目見て抱きしめたい…と思うけれど、夫の立場や「敵の妻」という事実があるため、中に入れてあげることができないんだ。
「生まれ落ちると乞食さす子を…」と嘆くシーンは、母としての無念さが痛いほど伝わってきます。彼女もまた、時代の波に翻弄された被害者の一人なんだ。
最初は**「桂中納言(かつらちゅうなごん)」という高貴な公家に化けて登場するけど、正体を現した瞬間の「ぶっ返り(衣装の早変わり)」**は鳥肌モノ!
敵である傔仗に敬意を払い、妻の袖萩とお君を愛する、情熱的でスケールの大きい人物だよ。
このお芝居の登場人物たちがみんな「心で泣いている」中で、唯一涙を見せず、冷徹に任務を遂行しようとするリアリスト。
袖萩に対して「親父(傔仗)を殺せ」と残酷なことを唆(そそのか)すなど、物語の悲劇性を加速させるトリガー役だよ。
豪快な演技にも注目!
でも、ただ強いだけじゃないよ。
敵である袖萩親子の悲劇を目の当たりにして、心の中で涙を流す**「もののあはれ(情趣)」を解する男**なんだ。
物語の最後、親を失ったお君に対して**「義家が子に養わん」**と言って引き取る。「敵の血を引く子を、慈悲を持って受け継ぐ」という英雄としての器の大きさを示しているんだよ。